能楽師笛方 ”一噌流 ” 当主の稽古場です。
名前は、設計の瀬野和広さんにつけていただきました。
大正15年上棟
この建物は大正15年に上棟しました。
大正十五年一月二十二日。その日の想いが、今に伝わってきます。
棟木(むなぎ)には、棟梁の署名と、施主様の名前も記されています。
優れた素材をそのまま残しての改修
既存の柱や、丸太梁の骨組みと、白の漆喰天井、棟梁の署名や欄間。
「もや」や「小屋づか」、天井の「さお縁」などを、そのまま残しての改修となりました。
外壁は、内部の調和と「木」そのものの素材を協調させるために「羽目板張り」でまとめ、懐かしい昭和の外観をイメージしています。
今年で築95年。100年先の未来へ、住み継いでいただきたいと思います。
寒い家を、暖かい家に。
今回の改修工事では、 断熱効果を高めるために外壁は吹き付けによる外断熱、屋根裏及び床下には二重の断熱材を施しました。
【響笛稽堂】きょうてきけいどう
設計 / 瀬野和広+設計アトリエ
撮影 / 吉田誠
施主様の声
100年続く家
歴史を感じる築95年の日本家屋は、能楽師笛方の稽古場です。
古いものの良さは残しながら、フルリノベーションをしました。
お施主様と設計の瀬野和広氏にご協力いただき、動画を撮影しました。
この家で生まれ育ったお施主様の生の声が撮影されています。
ここで生まれ育ったお施主様
「この家が建った頃は、周りには何もなく森の中に建っていたと父から聞いていました。
アナグマが侵入してきたり、天井裏にネズミやハクビシンがいて、すごかったですよ。」
棟木には曾おじいちゃんの名が
「古くからあるこの家で。。。
上(棟木=むなぎ)を見ると、曾おじいちゃんの名前が出てきてびっくりしましたね。」
そう仰られているように、棟木には、「大正十五年」と、当時の棟梁の名が記されています。これは、今回の改修の際に天井をはがした際にあらわれたものでした。
当初、天井を張り替える予定でしたが、奥様から「これは絶対に残したい」と相談があり、このまま残すことにしました。
時代を超えて、当時の人の想いが伝わるようです。
「だんだんできてくるのをずっと見てきたのですが、こんなふうにすごい家になって・・・びっくりしています」
お引渡しの日のミニライブ
能楽師であるお施主様が演奏を披露してくだり、 日本家屋・そして日本の伝統芸能の素晴らしさを感じずにはいられません。
明友さんのファンで…
お施主様との出会いは、もう7年も前のこと。構造見学会にご来場いただいたのがきっかけでした。
数年のおつきあいの中で、ある時、奥様がお友達に「明友さんのファンで・・・」と私たちを紹介してくださったのです。
とても嬉しく、ありがたい言葉でした。
後日、住まい心地を伺いました
先日、社長がお家に伺ったところ
「実際に稽古場として使っていますが、音の響きがよくて、スタジオにいかなくても済んでしまうほど」と仰っていました。
ご主人は車が好きで、社長の池田とは、車の話をよくされているようです。
「以前は冬は寒くて、ストーブに近づいて稽古してましたが、今はあったかくて本当に快適です。」
と、仰ってくださいました。
家が建ってから約100年。ここから100年先まで、お付き合いのほどお願い申し上げます。